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子供のスプーンの持ち方と練習 【箸のベースです】

2021年6月12日

 

乳幼児期の食事。

スプーンの持ち方から始まり、箸への移行。

 

子どもに教える必要がありますが。

その方法は誰も教えてくれません。

 

本記事では。

現役の発達相談員で、保育園巡回をしている僕が、

・スプーンはどうやって持たせるといいのかな。

・持ち方の練習は、いつ、どうやって?

・補助箸は使った方がいいのかな。

こんな疑問にお答えします。

 

【僕の簡単なプロフィール】

保育者として20年。その後、地域の発達相談員と幼稚園・保育園巡回の経験が15年ほどあり。

大学院では保育や教育の心理学(学校心理学)を専攻していました。

食事に関する相談も多く受けております。

所持資格:公認心理師(国家資格)、幼稚園教諭、小学校教諭など

詳しいプロフィールはこちら

 

スプーンを3指で持てることが、その後の箸や鉛筆のベースとなります

ですので、「もうスプーンは持てるよ」と言う方も。

もう一度この記事で確認することをおススメします。

 

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1.子供のスプーンの持ち方

 

 

スプーン上手持ちが大重要です

「上手持ち」とは、上からスプーンをわしづかみにする持ち方です。

 

小さな子どもにスプーンを持たせると、自然とこの形になることが多いでしょう。

初めは、この持ち方のままでかまいません

 

上手持ちは、子供には持ちやすく、食べやすい(動かしやすい)持ち方であり、

その後の「スプーン鉛筆もち」「箸」「鉛筆」のベースとなる大変重要な持ち方です。

 

下手持ちは必要ない

 

 

スプーンの持ち方について。

育児書の中にはこのように、

①上手もち

②下手持ち

③鉛筆持ち

と順番に持たせる練習をするように、と書かれている物があります。

 

『②下手持ちでの練習は必要ない』というのが僕の考えです。

 

上手持ちに慣れることこそが、

その後の鉛筆持ちや箸への移行のポイントだと考えます。

 

下手持ちが不要な理由

下手持ちの場合、手の平を上にする、腕の回転の動作が必要であり。

この腕の回転は、乳児期にはまだ難しい動きです。

 

動きの発達段階からみて、腕の回転の必要のない上手持ちから始め。

次は回転の必要な下手持ちですよ、という考え方だと思われます。

 

しかし、この腕の回転の動作は。

食事以外でも生活や遊びの中でそだつものであり、そのための特別な練習は必要ありません。

 

また、やってみると分かるのですが、下手持ちはとても食べにくい持ち方になります。

 

 

2.上手持ちの3段階

 

 

遊びや生活の中で、

指を一本ずつばらばらに分化して使えるようになってくると。

上手持ちが3段階に変化していきます。

 

指を分化して動かせることは、鉛筆もちや箸の使用に必要なことです。

 

成長の中で、この指の動きの変化を見ることが大切であり。

指の動きの発達に合わせて、持ち方を変えてあげることが重要です。

 

見るポイントは親指と人差し指

< 第1段階 >

<第1段階>

手のひら全体で力を入れてぎゅっと握ります。

全ての指はくっついています。

 

この段階では、箸や鉛筆持ちはできません。

※ちなみに、この段階でも、「補正箸」は使えると思いますが、僕は勧めません。

 


 

< 第2段階 >

< 第2段階 >

手指の発達とともに、親指と人差し指が離れてきます。

各指の動きが一本ずつ動かせるようになってきた(分化)、ということです。

次のステップ移行のために、見るべきポイントは、

親指と人差し指です。

 


 

< 第3段階 >

< 第3段階 >

親指と人差し指がさらに離れ、他の指も離れてきます。

手の平ではなく、指先で軽く握れるようになってきます。

 

 

各指それぞれを動かすことが十分可能になってきた、ということで。

「鉛筆もち移行」の目安となる重要な時期です。

 

 

3.スプーン鉛筆もちへ

 

 

バキューンの手で

上手持ちで第3段階まで持てるようになったら。

「五本の指を別々に動かせるように成長した」ということです。

この段階で、鉛筆持ちに誘かけてみましょう。

(年齢ではなく、持ち方を見て次に誘います)

 

 

親指と人差し指を拳銃の形に。

「バキューンの持ち方」などという方もいます。

そこにスプーンを乗せてあげるといいでしょう。

 

初めは正確に持てなくてもかまいません。

繰り返すことで、持てるようになります。

 

練習は食事以外の時間で

>>食事は楽しくが原則です。(詳しくは以下記事)

 

ですので、できれば食事以外の場での練習が理想です。

 

おやつの時間の活用

手づかみで食べられる物も。

遊び感覚で少しだけスプーンを使ってみてはいかがでしょうか。

 

ままごと遊びの中で

ままごと遊びの中で試すのもいいですね。

楽しい、遊び感覚が大切です。

 

食べ始めの一回だけ

一度に何回もやり直しをさせるのではなく。

食べ初めに『一回だけ』意識させて上手に持たせます。

 

『初めの一回だけ』がポイントです。

それを毎食繰り返します。

 

>>ほめることも忘れずに。(ほめ方は以下記事)

 

スプーン鉛筆もちは、次の箸や鉛筆につながる重要な持ち方です。

あせらず、無理せずに進めてみてください。

 

 

4.補正箸は必要か

 

 

使わなくても、箸使用に影響ありません。

 

補正箸とは

「補正箸」とは箸に指を入れるための3つのリングがあり、

上部は箸が離れないように固定されている物です。

 

特に幼稚園児に使う子が多く、周囲の子が使っているので用意される方がいるようです。

(僕の地域では、認可保育所で補正橋を使用している所は見たことがありません)

 

 

トングのような動かし方で使う子もいる

 

上部が固定された補正橋は、構造上、トングと似ていて。

使い方によっては、「手の平グーパーの動き」だけで使えます。

「先端には滑り止め加工」がされている物が多く、

色々な物を簡単につかめてしまいます。

 

一方、箸の動きは、「全ての指は別方向に力をかけ」、

「下の箸は動かさない」ことが必要です。

 

箸とトングは、手や指の動かし方が全く違うということです。

 

補正箸は正しく使うことが大切

もし、補正箸を使うのであれば、「下の箸は動かさない 」

正しい使用方法が重要です。

 

補正箸については、以下のツイートや、そのコメントもご覧ください。

 

 

 

5.指の動きの分化に必要なこと

 

 

五本の指がそれぞれ別に動かせることが、箸や鉛筆には必要です。

しかし、それは、その為に指の動きを練習させることではありません。

 

楽しい遊びや生活の中で、様々な動きを経験し、

結果として動かせるようになるのです。

 

そして、

まずは身体の大きな動きを充分動かせることが必要です。

身体の発達は、「身体の大きな動き」→「手先の動き(小さな動き)」です。

 

 

6.まとめ:スプーンの持ち方と練習方法

 

 

最終的に箸使用を考えるならば、

まずは、『スプーンを鉛筆もちで持てるようになること』が重要であり。

その持ち方は箸や鉛筆につながると僕は思っています。

 

その為には、訓練ではなく、楽しい遊びや生活の中で。

身体全体の大きな動き、手先を使った小さな動きを充分に経験させること。

 

そして、周囲の大人が子どもの成長を見極め。

適切なタイミングで、適切な食具(スプーン、箸)で教えてあげることが大切です。

 

 

>>箸の持ち方練習方法

 

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