食の経験の広げ方
▪家族が食べているところを見せる
▪食事をイヤな時間にしない
▪天気のいい日に公園で食べる
▪親戚や友人の家での食事
▪園の給食時間を楽しく
▪食事の場所や雰囲気を少し変える
▪苦手な物も皿に少しのせる
◇食べるだけが経験ではなく、これらの機会は成長と共に自然に増えます— ひだ ゆう🍰発達相談員(幼児) (@Zteacher2017) June 19, 2022
こんにちは。ひだです。
幼児期に一番多い悩み。偏食。
その「原因」として知って欲しいことは以下の記事をご覧ください。
この記事は、偏食の具体的「対応方法」です。
おやつはいくらでも食べるけど…
食事は食べられる物が少ない…
これから、どう対応したらいいのでしょうか?
こんな悩みにお答えいたします。
1.子どもの偏食の対応方法
大原則1つと、基本対応方法は4つです。
◎大原則:いま食べられる物で「しのぐ」
①あきらめない
②食事の時間を楽しく
③苦手な物も少し出してみる
④食事の環境や場を変えてみる
それぞれ解説しますね。
◎大原則:いま食べられる物で「しのぐ」
幼児期の偏食の大原則は。
『いま食べられる物でしのぎながら、食の経験を広げ、味覚の成長を待つ』
です。
食べられるものを「増やす」ではなく。
今食べられるもので「しのぐ」です。
いま食べられるもので「しのぎ」ながら。
食の経験を広げ、味覚の成長とを待ちます。
そのうえで。以下の4つの基本対応を考えてください。
①あきらめない
管理栄養士から、
「味覚が完成してくるのは小学校高学年くらい」
と聞いた。
そして、
「幼児期は、まだ味覚が成長段階なので「偏食」とは言わない」そう。つまり、
『これから少しずつ食べられる物が増えますよ!』
ということ。
『なので、あきらめないで!』
ということ。— ひだ ゆう心理相談員(発達) (@Zteacher2017) May 15, 2021
味覚が完成し、食べられるようになるのは小学校高学年くらいです。
それまでは、一時期、以前より食べられなくなったり。
その後、食べたり食べなかったりを繰り返しながら、徐々に少しずつ食べられるようになります。
幼児期は味覚も発達の途上なので、まずはあきらめないことが大事。
そのうえで、『今出来ることを出来る範囲で』やっていくことです。
②食事の時間を楽しく
味は舌から感じ、”おいしさ”は脳で決める
同じ食べ物でも。
気の合う人との楽しく会話しながらの食事は、普段の食事より、もっとおいしく感じませんか?
味は、舌の「味蕾(みらい)」という味センサーで受容します。
そして。
味と共に、「食の環境」、「雰囲気」、「その時の快・不快感」、「経験」等とがあわさって。
最終的に脳でおいしさを決めます。
だから、「楽しい食事→おいしい食事」になるのです。
小食な場合。つい食べさせたくて、顔や言葉がけわしくなりがちではありませんか?
食べてほしい気持ちは少しおいといて。
まずは、食事を楽しい時間にすることが大切です。
そして、親が美味しそうに楽しく食べる姿を見せることで。
子供も「ちょっと食べてみようかな」という気持ちになるかもしれません。
③苦手な物も少し出してみる
お皿に少しだけ乗せてみる、お弁当に少しだけ入れてみることで。
「食べてみようかな」と思う時があるかもしれません。
特に幼稚園のお弁当、保育園の給食はとても期待できる機会です。
お皿になければ、お弁当に入っていなければ、食べるチャンスさえつくれません。
食べなくても、箸でつまむ、スプーンに乗せるだけでも子どもにとっては大きな一歩となります。
④食事の環境や場を変えてみる
外で食べるとおいしい、という経験はありますよね。
「おいしさ」は単なる「味」だけではなく、環境や雰囲気なども合わさって「おいしさ」になります。
保育園で先生や友達と一緒のお弁当や給食のときに。
普段自宅では食べられなかった物も食べられた、という話はよく聞きます。
以下のツイートもご覧ください。
幼稚園の給食が、たまにバイキング形式。自分でお皿に盛る事で、食べられる物が増えたという子がいた
幼児期、食べられる物が少ないという問題は、『食の経験が広がる』事で徐々に改善するケースは多いと思っている。
お皿に盛る、使う皿、食べる場所、一緒に食べる人、雰囲気、も"美味しさ"の要素。
— ひだ ゆう心理相談員(発達) (@Zteacher2017) February 22, 2021
親戚の家に遊び行った時、外食の時、家族で公園に遊びに行った時などには。
普段苦手な物もさりげなく試してみるのはいい方法です。
幼児期以降は、それまでの自宅中心の生活から生活の場が広がり。
自宅とは違った環境で食べる機会が増えます。
つまり、食べられる物が徐々に増えるチャンスが広がる、ということです。
2.まとめ:子どもの偏食の対応方法
4つの方法を提案しましたが。もし、やれそうなことがあったら試してみて下さい。
でも、どうしても食べてくれないときには。「やすみ、やすみで」いきましょう。
食の問題で悩んでいるのは、あなただけではありません。
もし、今、お子さんが食べられないことで悩んでいるとしたら。
それは、あなただけの問題ではありません。
周囲にいる多くのお母さんが同じ思いでいると、知って下さい。
悩んでいるのは、あなた一人ではありません。
周囲の人は言わないだけです。
参考に僕の偏食ツイートにいただいたコメント集をお読みください。
少し安心できるかもしれません。
食事は毎日のことです。あせらずに進めていくことが大切ですね。
【参考文献】
・山本 隆(1999)「おいしさの脳科学」大阪大学大学院人間科学研究科行動生態学講座
・河村洋二郎編:うま味ー味覚と食行動ー共立出版,1993.
・山野喜正,山口静子編:おいしさの科学 朝倉書店,1994.
・山本 隆:脳と味覚ーおいしく味わう脳のしくみー共立出版,1996.
・佐藤昌康,小川 尚編:最新味覚の科学 朝倉書店,1997.
・西村実穂,水野智美編:気になる子の偏食チャイルド本社,2014.