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ペアレント・トレーニングのポイントと方法

2022年3月6日

ペアレントトレーニングの考え方では、幼児の行動は3つしかありません。

①好ましい行動
②できればやめて欲しい行動
③絶対にやめて欲しい行動

叱り過ぎてしまう事が多いのは。
②と③を同じように叱っているから。

実は、本当に叱るべきは③。
②は叱らなくても、見すごしても良い時があります。

 

本記事では。

今すぐ取り組める、子育ての具体的な方法であるペアレントトレーニングについて。

そのポイントを、現役の発達相談員の僕が解説します。

 

【僕の簡単なプロフィール】

保育者として20年。その後、地域の発達相談員と幼稚園・保育園巡回の経験が15年ほどあります。

大学院では保育や教育の心理学(学校心理学)を専攻していました。

ペアレントトレーニングの指導者講習も修了しています。

所持資格:公認心理師(国家資格)、幼稚園教諭、小学校教諭など

詳しいプロフィールはこちら

 

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1.ペアレントトレーニングのポイントと方法

 

 

ペアレントトレーニングの目的

 ①子どもの上手なほめ方を学び

②親子共に自己肯定感を高め

③親子の良い関係をつくる

と僕は考えます。

 

>>子どもの「上手なほめ方」はこちらをご覧ください。

 

子どもをほめることができると。子どもはもちろん、親も嬉しいものです。結果、親子関係も良くなります。

 

ほめるための具体的な「ポイントと方法」は以下2つです。

 

・子どもの行動を3つに分け、ほめやすくする

・ほめのハードルを下げる

それぞれ解説します。

 

子どもの行動を3つに分け、ほめやすくする

子どもの行動は3つしかありません。

①好ましい行動

②好ましくない行動(できれば減らして欲しい行動)

③許しがたい行動(絶対にやめて欲しい行動)

 

本当に叱るべきは③です。

本当に叱るべきことは何かを事前に厳選しておき。②は叱らなくてもいい場合があるので、②と③を区別することが重要です。

 

「好ましくない行動(できれば減らして欲しい行動)」の対応方法

『叱らずに、無視(見て見ぬふり)をする』です。

見て見ぬふりをしながら、好ましい行動が出たらすかさずほめるという作戦です。

 

例えば。何度言ってもトイレのドアをきちんと閉めない場合。あまり叱らずに気付いたら親がドアを閉めます。

たまたま子どもが自分で閉めるのを発見したら。その時にすかさずほめ、ドアを閉める行動を促します。

 

叱って行動を促すより、ほめて行動を促す方が子どもにはずっと有効です。

 

子どもの行動表

 

表に箇条書きで書いてみると、対応の仕方が分かりやすくなります。

 

 

ほめのハードルを下げる

子どもをほめることは簡単ではありません。

「何か特別にすごいことをした時にしかほめてはいけない」と考えている方が多いからです。

 

例えば、おもちゃを全部片づけなくても。一つ片づけたらほめてみませんか?そうすると、もう一つ片づけるかも知れません。

 

「玄関のドアを閉める、靴を脱ぐ、手を洗う・拭く、座ってテレビを見る等」普段は出来て当たり前と思っていることも、ほめてもいいですよね。

 

ほめのハードルを下げることで、今すぐにほめることができます。

 

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2.ペアレントトレーニングの目的

 

 

冒頭に書きましたが。

「叱るを減らし」「ほめるを増やし」親子共に自己肯定感を高め、親子関係を良くすることと僕は考えます。

 

 

 

 

3.ペアレントトレーニングとは

 

 

 

ペアレント・トレーニング・プログラムの基本的理論と枠組みは、米国マサチューセッツ大学のバークレー博士(R.A.Barkley)の研究と、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)でフランク博士(F.Franke)の指導のもと1983年からペアレント・トレーニングを実施しているウイッタム女史(C.Whitham)のプログラムを参考にして国立精神・神経センター精神保健研究所児童・思春期精神保健部のチームによって作成されたものです。

日本の家族に適用しやすいように、児童の発達にかかわる相談や療育の機関で実施しやすいようにと意図して作成したプログラムです。

理論的な背景は行動療法に基づく行動修正に置いていますが、子どもの不適切な行動の修正に焦点を当てるというよりは、親が子どものもつ困難さを理解し、親と子がよりよいコミュニケーションで家庭生活をおくれるようになることを主眼に置いています。

 

「こうすればうまくいく 発達障害のペアレント・トレーニング実践マニュアル」中央法規 より引用

 

日本のペアレント・トレーニング・プログラムは。国立精神・神経センター以外の機関でも、作成されているようですが。

基本的な考え方は同じです。

 

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4.ペアレントトレーニングの実際

 

 

僕の地域では、児童精神科・児童相談・療育事業所等で行われていることが多いです。

主に発達障害のある子どもの保護者を対象にしていますが。障害の有無に限らず、全ての子育てに大切な考え方だと僕は思っています。

 

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5.まとめ:ペアレントトレーニングのポイントと方法

 

 

幼児期の子どもは、好奇心からいろいろなことをし、その行動は整理しきれないように感じます。

 

しかし冒頭で説明した通り、実は子どもの行動は3つしかありません。

そして、「その3つの行動に照らし合わせながら対応をしていけば良い」と考えると、いっけん複雑な子育てがシンプルになります。

 

行動に照らしながら。「ほめることを多くしていくこと」が親子関係を良くしていくための一つの鍵であり。親子共に自己肯定感が高まります。

 

「ほめること」は決して難しくありません。

 

>>子どものほめるところの見つけ方

 

参考図書

「こうすればうまくいく 発達障害のペアレント・トレーニング実践マニュアル」監修 上林康子 編集 北道子・河内美穂・藤井和子 中央法規

参考サイト

日本ペアレント・トレーニング研究会

 

 

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