子どもを叱らずに育てるのは理想ですが。
それはムリだと僕は思います。
子どもは、まだ未熟な存在だからです。
大人から、人としての文化を教えてもらいながら成長する必要があります。
その中には、叱ってでも教える内容があると僕は考えます。
例えば、自分や他人の命に関わる行動の仕方などです。
ですが。
叱り過ぎには反対です。
逆効果になるからです。
叱るべきことと、叱らなくてもいいことがあるので。
それを区別して対応することが大切です。
では、どうやって区別したらいいのでしょうか?
『叱る』と『叱らなくてもよい』ことの区別の仕方を。
発達相談員の僕が解説します。
【僕の簡単なプロフィール】
保育者として20年。その後、地域の発達相談員と幼稚園・保育園巡回の経験が15年ほどあり。
大学院では保育や教育の心理学(学校心理学)を専攻していました。
所持資格:公認心理師(国家資格)、幼稚園教諭、小学校教諭など
1.叱らない育児の末路
『叱る』と『叱らなくてもよい』ことの区別の仕方
子どもの行動は以下の三つしかありません。
①好ましい行動
②できればやめてほしい行動
③絶対にやめてほしい行動
叱るべきことと、叱らなくてもよいことを区別できないのは。
②と③を区別していないからです。
必ず叱るべきは③であり。
②は叱らなくてもいいことです。
▶こちらの無料ラジオもお聞きください
できるだけ叱らないためには
「できればやめてほしい行動」と「絶対にやめてほしい行動」を区別したら。
「絶対にやめて欲しい行動」を少なくすることです。
そうすると、当然、叱ることは減ります。
ただし。
「絶対にやめて欲しい行動」はただ減らせばいい、ではなく。
減らしてもいい事柄は何かをよく考え、減らすことです。
繰り返しますが。
子どもには、叱ってでも教えなければならないことがあります。
それを、必要最低限にするということです。
2.叱らずに教える方法
「できればやめてほしい行動」は。
叱らずにも対処できます。
おススメの方法は。
・見て見ぬふりをして
・できた時を見逃さずに褒める
・シンプルにしつこく
それぞれ解説します
見て見ぬふり→褒める
「できればやめて欲しい」事柄ですから。
見て見ぬふりをして、見過ごしても。
大きな問題にはならない事柄です。
<事例>
『何度言ってもトイレのドアを開けっぱなしにする』
「何度も言ってるでしょ。トイレから出たらドアを閉めなさい!」
と叱りたいところを、ぐっと我慢します。
しばらく見て見ぬふりをして、ドアは閉めておきます。
そして、もし子どもが自分で閉めることがあったら。
それを見逃さずに褒めます。
つまり、見て見ぬふりとは。
子どもの望ましい行動を待ち、褒めることです。
出来ないときに叱るより、出来たときに褒め。
その行動を促す方がずっと効果的です。
シンプルにしつこく
<事例>
『ジャンパーを脱ぎっぱなしで床に置く』
脱ぎっぱなしを見たら「ジャンパーはここに掛けてね」
と叱らずに伝え。
掛けたら、褒めます。
次も脱ぎっぱなしであれば。
同じことを繰り返します。
これを、叱らずに。
「シンプルにしつこく」繰り返します。
3.まとめ:叱らない育児の末路
『叱ること』と、
『叱らなくても良いこと』を区別して整理することがポイントです。
頭の中で考えているだけではなく。
できれば。
箇条書きで紙に書き、整理するとはっきりします。
また、それを家族で共有し、同じ関わり方をすると。
子どもは混乱しないかも知れません。
▶こちらの記事もご覧ください。