以前、幼児の「かんしゃく」について、このようなツイートしました。
幼児期の『かんしゃく』は、心の台風のようなもの。
起きてしまったら。『安全に注意し、通りすぎるのを待つ』が良いかと。
台風の真っ最中は、あれこれやっても、どうしようもないですよね。心の台風が通りすぎると。子供は話を聞く準備ができます。何が嫌だったかを聞き、対応を考えられると。
— ひだ ゆう🍰発達相談員(幼児) (@Zteacher2017) February 28, 2022
幼児期の『かんしゃく』は、心の台風のようなもの。
起きてしまったら。『安全に注意し、通りすぎるのを待つ』が良いかと。
台風の真っ最中は、あれこれやっても、どうしようもないですよね。
心の台風が通りすぎると。子供は話を聞く準備ができます。何が嫌だったかを聞き、対応を考えられると。
その後、
「子どもの癇癪、手がつけられない」
「子どもの癇癪、どうすれば」
という質問をいただき。
以下のツイートで僕の考えを、お答えしました。
幼児が激しいパニックになった場合、対応は3つ。
①場所を変える
②人を変える
③話題を変える①パニック状態はその場所で起きているので、とりあえず抱っこなどして場を変えてみる
②可能なら、違う人に対応してもらう
③他に興味のあることなど、全く違う話をする試しながら、時間は必要です。
— ひだ ゆう🍰発達相談員(幼児) (@Zteacher2017) March 8, 2022
かんしゃくのベストな対応方法は、
「かんしゃくを起こさないように対応してあげること」です。
ですが、日々の生活の中では簡単ではありません。
本記事では。上記二つのツイートをもとに。
現役の発達相談員の僕が、
手がつけられない子どもの癇癪に対し。
『子どもの癇癪はどうすればいいのか?』
三つのステップで解説します。
【僕の簡単なプロフィール】
保育者として20年。地域の発達相談員と幼稚園・保育園巡回の経験が15年ほどあり。
『幼児期のかんしゃく』についてもいろいろな方法を調べ、取り組んできました。
所持資格:公認心理師(国家資格)、幼稚園教諭、小学校教諭など
記事の内容
1.子どもの癇癪(かんしゃく)対応方法
三つのステップを提案します。
<第一ステップ>落ち着かせる
①場所を変える
②人を変える
③話題を変える
をして、
<第二ステップ>待つ
④気持ちが落ち着くのを待ち、
そして、
<第三ステップ>話をする
⑤大事な話をする
です。
それぞれのステップを解説します。
2.子どもの癇癪(かんしゃく)対処法<第一ステップ>
<第一ステップ>
気持ちを落ち着かせるために
①場所を変える
②人を変える
③話題を変える
①場所を変える
例えば。「幼稚園から自宅に帰りたくない」と大きな声で保育室で泣いている場合。
幼稚園の保育室にいてもなかなか気持ちは収まりません。
できれば、抱っこなどして玄関や幼稚園の外など、場所を変えることは有効です。
「場所を変えることで」見える景色も変わり、気持ちが変わる大きなきっかけになります。
②人を変える
例えば。幼稚園に到着しても、幼稚園バスからなかなか降りようとしない子がいました。
バスの先生が説得しても気持ちは変わりませんが。たまたま園舎から出てきた他の先生が対応すると話を聞き、すんなり降りることができました。
このように、家庭でも。子どもに対応する人が変わることで子どもの気持ちが変わるきっかけになる場合があります。
可能であれば。パパとママが交代するなど、近くに他にかわれる人がいたら、試してみてください。
③話題を変える
「幼稚園から帰りたくない」「バスから降りたくない」など。子どものかんしゃくのもとになっている話題に付き合っていても、子どもの気持ちは変わりません。
唐突でいいので。「イオンで○○が売っていた」「おばあちゃんが○○の話をしていた」など全く別の話をし続けてみます。
子どもの興味のありそうな内容を話しかけることがポイントです。
また、可能なら「場所変えながら、話題を変える」など、①②③を組み合わせると効果的です。
3.子どもの癇癪(かんしゃく)対処法<第二ステップ>
④気持ちが落ち着くのを待つ
子どものかんしゃくが収まらず。気持ちが落ち着いていない状態で親が話をしても、子どもは話を聞けません。
子どもの心の中には台風がグルグルと渦巻いている状態です。
第一ステップを試しながら、子どもの気持ちが落ち着くのを待ち。親もメンタルを整えます。
その際、親が子どもの様子を見たり子どもの訴えを聞き過ぎたりしていると、子どものかんしゃくはいつまでも収まりません。
安全を確認しつつ「見て見ぬふり」がいいです。
4.子どもの癇癪(かんしゃく)対処法<第三ステップ>
⑤大事な話をする
「大きな声で泣く」「手足をバタバタする」などのかんしゃくが収まり、気持ちが落ち着くと。子どもは話を聞く準備が整います。
それから、大事な話を始めます。
【大事な話の進め方】
A)「泣かなくてエライよ」と気持ちを整えられたことをほめ、
↓
B)「さっきは何が嫌だったの」と子どもなりの理由を聞き、
↓
C)「それがイヤだったたんだね」と一旦受け止めます。
それから、
↓
D)「こうした方が良かったんじゃない」と具体的な行動の仕方を教えます。
親が真っ先に伝えたいのは、最後のDだと思いますが。
できれば、ABCを先に入れた方が子どもは素直に話を聞けるかも知れません。
5.子どもの癇癪(かんしゃく)対応【具体的事例】
具体的な対応事例を紹介します。
上記で紹介した方法をどこで入れるか、アンダーラインを引いています。
【事例】
「洗濯中のアンパンマンの服を着たかった」と大泣きの年少児。
【第一ステップ】
「ごめんね。お洗濯してまだ乾いていないんだ」と理由を一度だけ言い、あとは服の話をしない。家事をするなどして見て見ぬふり。
動画をつけ、その話題を時々話しかける。服の話はしない。落ち着くのを待つ。
ママが対応していたなら、可能ならパパにも話しかけてもらう。
となりの部屋のおもちゃを取りに行こうと誘う。
【第二ステップ】
子どもの気持ちが落ち着くのを待つ。安全を確認しながら見て見ぬふり。
【第三ステップ】
泣きやみ、気持ちが落ち着いてから話し始めます。
「もう、泣かなくてエライよ」
「アンパンの服が着れなくて悲しかったんだね。ごめんね」
「お洗濯してきれいになったら、もっとカッコイイ服になるから、明日着ようね」
6.子どもの癇癪(かんしゃく)の原因
子どもは、身長や体重が大人よりも小さいですよね。それと同じで、心もまだ成長の途上で小さいものです。
ですので、気持ちのコントロールがまだできず。今やりたいことは我慢ができなかったり、待てなかったりします。
身長・体重は目に見えますが、心は目に見えないので。大人と同じように考えてしまいがちになることがあります。
気持ちに余裕がある時には。できれば冷静に対応することは理想です。
7.まとめ:子どもの癇癪(かんしゃく)対応方法
心が成長の途上にある幼児期。
かんしゃく対応は難しいものです。幼稚園・保育園の先生でも決して簡単ではないと思います。
今回、あくまで基本的な対応方法をご紹介しましたが。子どもによっても効果のある方法は違います。
気持ちに余裕のある時には、いろいろ試し、自分の子に効果のありそうな方法を探すことが大切です。
そして、もし。うまくいった方法が見つかったらそれを続けるといいですね。
▶こちらの記事もご覧ください。
>>かんしゃくが起きる前に「気持ちの切りかえ」に有効なタイムタイマー