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多動の子どもの対応と接し方

2022年6月25日

 

【多動】

場面や状況に応じて集中することが難しく、絶えず動き回わっている状態。

出典:デジタル大辞泉

 

人には状況に応じた覚醒(目覚め)の状態を維持したい欲求(感覚欲求)があり。『動き』があることでその欲求は満たされる。 しかし、子によっては。より多くの動きが必要で、多動の状態になることが。 その場合。静かに、を強要ではなく。動きの場面を多く作ることで、結果的に落ち着ける場合があります。

 

例えば『講演会で、長い時間じっと座ったまま話を聞いていると動きたくなる』とか。『雨が降って散歩に行けず。室内で過ごさなければならない日は、普段より落ち着かない』などは。 静かな状態が続いたことで、覚醒を上げるため。身体が動きを要求し、『動きたくなる』ととらえることができる。

 

どの程度動くと『動きの欲求』が満足するかは。子供によって違います。 多くの動きが必要だったり、多くの動きがないとしっかり感じられなかったりして。その結果、多動の状態になるときがある。だから、その場合には、『適切に動ける』方法を考える必要があります。

 

「幼稚園や保育園のクラスにいられない」、「買い物に行ってもお店を走り回る」など。

子どもの行動が落ち着かない場合があります。

 

本記事では、現役の発達相談員の僕が。

『子どもの行動が落ち着かない』対応の基本的な考え方を。

作業療法の視点で解説します。

 

【僕の簡単なプロフィール】

保育者として20年。その後、地域の発達相談員と幼稚園・保育園巡回の経験が15年ほどあり。

大学院では保育や教育の心理学(学校心理学)を専攻していました。

所持資格:公認心理師(国家資格)、幼稚園教諭、小学校教諭など

詳しいプロフィールはこちら

 

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1.多動の子どもの対応と接し方

 

 

「静かに」ではなく「適切に動ける」方法を

子どもの行動が落ち着かないとき。

大人は、とにかく「静かにさせること」を考えがちです。

 

そうではなく。

今の状況の中で「適切に動ける」方法をまずは考えてください。

 

子どもは活動量が足りていない場合があるからです。

 

「適切に動ける」とは

例えば、保育園のクラス活動で。

みんなで何かを作っているとき。一人だけクラスの中を走り回るような場合。

 

先生と一緒に足りない材料を事務室に取りに行く手伝いをしてもらうと。

廊下や階段を移動することで、少しは活動量が満たされるかもしれません。

 

そして、「クラス活動中に走り回る」が「お手伝い」という適切な行動に変わります。

 

このように、「動きたい欲求」をうまく活用することは理想です。

 

家庭では

 

・戸外遊びを増やす

・運動系習い事の活用(体操、水泳、サッカー等)

・運動系児童発達支援(児童デイサービス)の活用

 

幼稚園・保育園での活動を最大限活用しながら。

可能であれば、これらを試します。

 

幼稚園・保育園選び

勉強系の園よりも、のびのび自分の好きな遊びができ。

園庭やホール(体育館)が広めだったり、園外活動が多かったりするところがいいかも知れません。

 

活動量を満たしてから、落ち着ける方法を

子どもの行動が落ち着かないとき。

まずは、活動量を多くして動きたい欲求を満たしてあげることが基本です。

 

その次に落ち着いて活動に参加できる方法を考えます。

・座る場所を前の方にする

・目で見えるものを用意する

・参加する時間を短くする

(今必要な部分だけ参加する)

・大人が近くにいる

 

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2.「感覚欲求」

 

 

人には遊びや学習を行うとき、脳はそれぞれの活動に適した覚醒が必要となります。

脳が過度に興奮した状態や、ぼんやりした状態にあると、活動をうまく遂行することができません。

 

脳を適切に目覚めさせ、その状態を維持するためには、一定の感覚刺激が必要です。

人は興奮しすぎず、ぼんやりしすぎない、適切な目覚めの状態を維持したいという欲求があります。

これを「感覚欲求(sensory・needs)」と言います。

 

平成22年度日本作業療法士協会作業療法推進パイロット事業助成

京都府作業療法士会特別支援教育OTチーム より一部引用 

 

感覚刺激の取り込み方は人により違い。

 

筋肉の動き(固有覚)やバランス感覚(前庭覚)の強さや量が足りないと、

それを満たそうとします。

 

その行動が「落ち着きない行動」と思われる場合があります。

 

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3.まとめ:多動の子どもの対応と接し方

 

 

人が外部から受け取る感覚は。

・視覚

・聴覚

・嗅覚

・味覚

・触覚

などはよく知られていますが。

 

ほかにも。

・前庭感覚(平衡感覚)

・固有感覚(筋肉・関節で感じる感覚)

などもあります。

 

前庭感覚や固有感覚は「人の動き」に関わる感覚であり。

その感覚の取り込み方には個人差があります。

 

多動を困った行動として見るのではなく。

 

「感覚をうまく取り込めていない」ための欲求(感覚欲求)としてとらえ。

その対応を考えることは大切です。

 

▶こちらの記事もご覧ください。

>>幼児の【かんしゃく】対応方法

 

>>子どもの「かんしゃく」対応方法

 

>>一番になりたい子どもの心理と対応方法

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