「言葉が遅いかな?」「落ち着きがないな」など。
子どもの発達面で心配があったとき。
どこに相談に行ったらいいのでしょう。
「発達相談はどこに行ったらいいのか?」
「行ったら、どんなことをするのか?」
現役の発達相談員である僕がお答えします。
記事の内容
1.【幼児】発達相談は、どこに行ったらいいのか?
乳幼児健診を行っている、お住まいの地域の保健センター(保健所)に電話をして。
今心配していることを伝えて下さい。
地域により、心配事の適切な相談場所は違います。
なので、地域の保健センター(保健所)で聞くことをすすめます。
僕の地域を例にすると、
・保健センターでそのまま相談(電話か訪問して)
(保健師、心理士、管理栄養士がいます)
・発達支援センター
(医師、心理士、言語聴覚士、作業療法士、保育士がいます)
・教育委員会にある相談室
・保育所や幼稚園で行っている地域の方対象の子育て相談
・ことばの教室
(僕の地域では小学校に設置されていますが、地域により独立した施設の場合もあります
・言語聴覚士のいる耳鼻科
・小児科や児童精神科
電話でも相談できる場合には。
少し話してみて、良さそうなら訪問しての相談(来所)も考えてもいいかも知れません。
言語聴覚士とは
ことばによるコミュニケーションには言語、聴覚、発声・発音、認知などの各機能が関係していますが、病気や交通事故、発達上の問題などでこのような機能が損なわれることがあります。言語聴覚士はことばによるコミュニケーションに問題がある方に専門的サービスを提供し、自分らしい生活を構築できるよう支援する専門職です。また、摂食・嚥下の問題にも専門的に対応します。
日本言語聴覚士協会より引用
言葉と聞こえの国家資格を持った専門の先生です。
作業療法士とは
「基本的な動作能力」から、「応用的動作能力」、「社会の中に適応する能力」まで、3つの能力を維持・改善し、「その人らしい」生活の獲得を目標とします。
日本作業療法士協会より抜粋引用
身体全体や手先の運動の国家資格をもった専門の先生です。
2.発達相談で聞かれること
相談員により違いはありますが。僕の場合でお答えします。
※「答えたくないことは答えなくて構いません」
「僕は心理師(士)なので、医学的な診断はいたしません」
と初めにお伝えします。
・今現在、心配していること、気になっていること
・それはいつ頃からか気になりだしたか
・ほかの場所では相談しているか
・ほかの相談場所ではどのような話だったか
・妊娠時、出産時の様子
・出産時に耳の聞こえの検査はしたか(言葉の相談の場合)
・乳幼児健診(1,6歳、3歳)の結果
・子どもの病院の通院歴(相談内容に関する病院)
・幼稚園(保育園)での様子
・この相談で知りたいことは何か
3.発達相談で何をするのか
僕の場合でお答えします。
一般的なこと
※医師以外の相談員は、医学的な診断はしませんが。
人によっては、診断らしき言葉を使うことがあるかも知れません。
心配な場合には、事前に「診断は必要ありません」と伝えておくといいです。
・遊びや会話の様子を見ながら子どもの発達の状況を見ます
・必要に応じ、保護者の同意があれば発達検査や知能検査をする場合があります。
・相談時間は90分(僕の地域の場合)
発達検査とは
発達検査は、発達全般、および認知、言語・社会性、運動などの子どもの状況を客観的に測定する検査です。
子どもの「広い範囲の発達」を対象とした検査ということです。
<発達検査例>
・新版K式発達検査
・KIDS乳幼児発達スケール
・遠城寺式乳幼児分析的発達検査法
どれも保護者が子どもの状況をチェック項目に沿って記入します。
知能検査とは
知能検査とは、主に物事の理解、知識、課題を解決する力といった、認知能力を測定するための心理検査の一つです。
子どもの広い範囲の発達の中の「認知能力」を対象にした検査ということです。
<知能検査例>
・田中ビネー知能検査
・WPPSI(ウイプシー)
・WISC(ウイスク)
・K-ABC
検査者と子どもとで一対一で行います。
4.事前に準備し、相談当日持参した方がいいもの
・子どもの気になる様子をまとめておく
(いつ頃から気になっているか、現在の様子)
・当日、何をききたいかまとめておく
(自宅での対応方法、園での対応方法、専門病院の情報、他の相談機関)
・母子手帳
・当日子どもが検査を受ける場合には。「今日はクイズをするよ」と事前に伝えてもらうようにお願いしています。
・「成長の記録」(6歳以降の母子手帳みたいなもの)があれば、持参する
・言葉の遅れが気になる場合には、言葉の状況のメモ(どんな言葉を話せるか)
・子どもが描いた絵や作った物(可能なら)
・上靴(必要があれば)
まとめ:【幼児】発達相談は、どこに行ったらいいのか?
子どもの心配事により、適切な相談場所は地域によっても違うので。
まずは、地域の保健センター(保健所)に電話をして確認するのがいいと思います。
初めての場は親子ともに緊張するかもしれませんが。
専門家に相談し、正しい情報を知ることで不安が軽くなることは多いです。
「親の安心」は子どもの成長にも良い影響を与えます。