幼児相談
もうすぐ運動会。毎年必ずある相談
『うちの子だけ棒立ちで踊りません』
多くの親が見ている緊張感もあるが。「曲に合わせて体を動かす」が簡単ではありません。①耳で曲を聞き②手と③足を④曲に合わせて⑤決められたように動かす。この5つを同時にやる為。
同時にやるは、幼児には難しい— ひだ ゆう🍰発達相談員(幼児) (@Zteacher2017) May 20, 2022
幼児相談
もうすぐ運動会。毎年必ずある相談
『うちの子だけ棒立ちで踊りません』
多くの親が見ている緊張感もあるが。「曲に合わせて体を動かす」が簡単ではありません。
①耳で曲を聞き②手と③足を④曲に合わせて⑤決められたように動かす。この5つを同時にやる為。
同時にやるは、幼児には難しい
発表会や運動会シーズンになると、よくある相談。
「うちの子だけ、棒立ちで踊りません」
よく見ると、踊らないのは決して一人だけではないと思いますが。
親にはそう見え、心配になる方は少なくありません。
本記事では、
現役の発達相談員の僕が。
発表会や運動会でのお遊戯(踊り)を「なぜ踊らないか?」
その対処方法と理由を解説します。
【僕の簡単なプロフィール】
保育者として20年。その後、地域の発達相談員と幼稚園・保育園巡回の経験が15年ほどあり。
大学院では保育や教育の心理学(学校心理学)を専攻していました。
所持資格:公認心理師(国家資格)、幼稚園教諭、小学校教諭など
記事の内容
1.【幼児】お遊戯(ダンス)をしない対処方法
幼児の場合、「曲に合わせて」「みんなで踊ること」が簡単ではありません。
踊りが苦手なら、手遊びを
曲に合わせた踊りが苦手であれば、「手遊び」はいかがでしょうか。
大人が子どものペースに合わせることができ、手だけの動きなので、難易度は下がります。
動画で様々な手遊びが紹介されているので、参考にできます。
子どもは、動画のペースに合わせるは難しいので。動画を見ながら遊ぶのではなく、大人が覚えて唄い、子どものペースに合わせて楽しめるようにしてください。
以下に代表的な手遊びを紹介します。
とんとんとん ひげじいさん
グーチョキパーで なにつくろう
「一丁目の どらねこ」
「いっぽんばし」
2.発表会・運動会で「踊らない」理由
理由は二つ。
・普段の雰囲気と違ったり、多くの保護者が見ていたりして、緊張感がある
・「曲に合わせて」「みんなで踊ること」が幼児期には簡単ではない
つまり、「踊らない」というより、「踊れない」のです。
3.「曲に合わせて」「みんなで踊ること」が簡単ではない理由
複数のことを一度にやらなければならないから
自宅で一人で踊る時と違い、発表会でみんなで踊るためには以下が必要です。
①耳で曲を聞き
②手と
③足を
④曲に合わせて
⑤先生や他の幼児の動きにも合わせながら
⑥決められたように動かす
これらのことを、一度にやらなければなりません。
身体感覚の発達の途上にある幼児の場合。①~⑥の複数のことを一度にやることは難しいことです。
ですから。発表会では踊れなくても、自宅で「自分のペースで好きなように」踊ることはできるのです。
合唱も同じです
幼保園での発表会が盛んな時期。
『自宅では歌うのに、合唱の歌を唄わず棒立ち』の相談。①耳で伴奏曲を聞き
②伴奏のスピードに合わせて
③歌詞を思い出し
④曲に合わせて
⑤他の子と合わせて唄う。多くのことを一度にやるのは、幼児には簡単ではない。
自宅では、③だけでいいので歌いやすい。— ひだ ゆう🍜発達相談員(幼児) (@Zteacher2017) November 14, 2021
歌も同じです。複数のことを一度にやるのは、幼児にはまだ簡単ではありません。
自宅で唄えるのであれば、家族で聞き、ほめてあげるで良いと思います。
4.協応動作
協応動作とは
「協応動作(きょうおうどうさ)」という言葉があります。
【 協応動作 】
身体の各部分が統一した一つの運動・動作をつくりあげること。身体は手足などいろいろな部分から成り,それぞれの部分も各種の筋肉などから構成されているが,これら身体の各部分はある目的のために,同時に全体として調和のとれた動きをつくっている。たとえば両眼は,それぞれ別の働きをするのではなく,一つの知覚像をつくるために調整される。
簡単に言ってしまうと、多くのことを一度にするということです。
このような動きは初めからできるものではありません。
幼児期の「終わりまで」に育てるべき力の一つであり。
いろいろな遊びを通して徐々に育まれるものです。
手と足を同時に動かすことは簡単ではない
例えば、ジャンプして手を頭の上でパチンと鳴らすなど、手と足を同時に動かすことは幼児には簡単ではありません。
まだ難しい子には、手と足どちらか一方の動きでほめてあげることが大切です。
5.まとめ:発表会・運動会で「踊らない」
発表会や運動会。ご家族も楽しみに見に行かれると思います。
「みんなと同じようにやってほしい」という気持ちは置いておいて。
当日、たとえ踊れなかったとしても、唄えなかったとしても。ステージに立てたことをほめてあげてください。
そして、自宅でならできるなら。
「ご家族の発表会」にして、ご家族も一緒に踊り、唄い、
大いにほめてあげるといいと思います。
発表会で、「みんなと一緒に」上手に踊ること、唄うことが幼児期のねらいでありません。
「こうやって踊ると楽しいな」「唄うの楽しいな」などと、「身体をリズミカルに動かす楽しさ」や「唄う楽しさ」を自分なりに感じ、生活がより楽しくなることが幼児期のねらいと考えます。
発表会は幼児期以降も続きます。幼稚園・保育園で終了するものではありません。
長期的に子どもの成長を見て、自分なりの表現に、楽しさを見つけられるといいですね。
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