保育園年長。『文字に全く興味がない』との相談。
就学を控え、親は焦りぎみ。伝えたこと。
✔️無理強いは逆効果
✔️『読みたい▪書きたい』と思った時に急激に伸びる
✔️親戚に本人宛に年賀状を出してもらう
✔️カルタ遊び▪手紙ごっこ
✔️ホワイトボードにその日のオヤツを書いておく
✔️まず読み→書きへ— ひだ ゆう🍜発達相談員(幼児) (@Zteacher2017) December 24, 2020
保育園年長。『文字に全く興味がない』との相談。
就学を控え、親は焦りぎみ。伝えたこと。
✔️無理強いは逆効果
✔️『読みたい▪書きたい』と思った時に急激に伸びる
✔️親戚に本人宛に年賀状を出してもらう
✔️カルタ遊び▪手紙ごっこ
✔️ホワイトボードにその日のオヤツを書いておく
✔️まず読み→書きへ
幼児期、「ひらがなの練習」はどのようにしたら良いのか?
特に、就学を前にした年長児になると焦るかもしれません。
本記事では、そのお悩みにお答えします。
記事の内容
はじめに:ひらがなの練習【いつから?】
子ども自身が『読みたい・書きたい』と思った時です
子ども自身が。「この文字を読みたい!」「書きたい!」と思った時に文字を急激に覚えます。
ですので、その時期が文字を教える最適な時期です。
時期には個人差があり、成長を待つことは大切です。
ただし、年長になったら、ただ待っているだけではなく。次に述べる、「文字に興味がもてる環境」を整えてあげることも大切かも知れません。(勉強的に教えることではありません)
1.ひらがなの教え方と練習方法
①無理強いは逆効果
②ホワイトボードの活用
③カバン置き場やジャンパー掛けに名前を貼る
④知人に手紙や年賀状を出してもらう
⑤お弁当に手紙を入れておく
⑥カルタ遊び・手紙ごっこ
それぞれ解説しますね。
①無理強いは逆効果
まだ文字に興味がないのに。大人の都合だけで、勉強的に教え込もうとするのは逆効果です。
文字や将来の勉強に対して「イヤなイメージ」をもつこともあるので、十分注意が必要です。
②ホワイトボードの活用
文字に興味がもてる環境例の一つ目。
100均で売っているホワイトボード。そこに、今日のおやつを書いておきます。
そして、親がそれを読み。「おやつはここに書いておくね」と伝えます。
子どもが「今日のおやつは何かな?」「何て書いてあるのかな?」と楽しく思えることがポイントです。
書く内容は、おやつに限らず、ご飯のメニュー、お出かけの場所など、子どもが読みたくなる内容ならなんでもいいです。
③カバン置き場やジャンパー掛けに名前を貼る
家庭で、すぐできる方法です。
文字の習得の場合。「自分の名前をひらがなで読める」を優先するといいかもしれません。読めると便利だからです。
その場合。幼稚園や保育園にあるように、自分の持ち物の所に少し大きめに名前を貼っておくと、毎日見て、親しみがもてます。
④知人に手紙や年賀状を出してもらう
大人もそうですが。子どもも手紙が届くと嬉しいものです。親戚や知人にお願いして、手紙を出してもらいましょう。
もちろん、子どもに読ませる練習をするのではなく、大人が読んであげてください。
そして、「ぼく(わたし)も、お手紙書きたい!」と言ったら、書き終えるまで手伝います。文字ではなく、絵でもいいです。
⑤お弁当に手紙を入れておく
園のお弁当は楽しい時間です。
好きなキャラクターの小さな紙に『いっぱい たべてね』などと書いた手紙を、お弁当の袋に入れておきます。
子どもは喜びます。読めなくていいので、帰ってきたら読んであげます。
短文で書くことがポイントです。
⑥カルタ遊び・手紙ごっこ
「カルタ遊びや手紙ごっこで文字を覚えた」という話はよく聞きます。
▶手紙ごっこの参考サイト(日本郵便)
2.文字の発達
コミュニケーションは。
聞く
↓
話す
↓
読む
↓
書く
この順番で発達し、この順番で重要です。
文字については、まず「読み」ができて次に「書く」です。
ですので、初めは、読めるようになると生活が便利になります。書かせることを急ぎすぎないことが大切です。
話し言葉の発達についてはこの記事をご覧ください。
3.幼児期の終わりまでに育ってほしい姿
幼児教育に関連する、文部科学省の「幼稚園教育要領」、厚生労働省の「保育所保育指針」、内閣府の「幼保連携型認定こども園 教育・保育要領」の3法令が新しく改訂され、2018年4月から、施行されました。
幼稚園・保育園・こども園、それぞれに「3歳からは同じ教育」の機能があることや、「子ども主体の学びが重要」であること、そして「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」が示されています。
注)「10の姿」は、あくまで育ってほしい姿の「方向性」です。育つべき「能力」や「到達点」のように、達成しないといけない課題ではありません。
「育ってほしい10の姿」の中で、文字について書かれている内容を見てみましょう
(8) 数量や図形,標識や文字などへの関心・感覚
遊びや生活の中で,数量や図形,標識や文字などに親しむ体験を重ねた
り,標識や文字の役割に気付いたりし,自らの必要感に基づきこれらを活
用し,興味や関心,感覚をもつようになる。幼稚園教育要領(文部科学省)
幼児期に求めているのは、「興味」「関心」「感覚」であることが大切です。
「系統的な文字指導」は、小学校以降で重視されるものであり、幼児期からの無理な文字指導は十分注意が必要です。
4.文字を「読んだり」「書いたり」するためには
文字に対する興味や関心はもちろんですが。
一定時間、イスに座って机に向かう「体力」「姿勢を維持する力」「集中力」「目と手を協応して働かせる力」「手先の巧緻性」などが必要です。
その力は、室内や戸外で、様々な遊びに「楽しんで」「熱中して」取り組む中で育ちます。
ですから、幼児期の遊びは大切なのです。
5.まとめ:ひらがなの教え方と練習方法
好きな遊びに存分に取り組み、身体の発育を促すことを前提に。文字に興味・関心をもてるような環境を用意し。
子ども自身が、「読みたい」「書きたい」と思えた時こそが、文字を教える最適な時期です。
決して勉強的にならず、無理強いすることなく経験させてあげることが大切です。