トイレトレーニングでむずかしいのは、二つです。
①オムツを外した開放空間での排泄
②トイレに入り、便座に座ること
本記事では、現役の発達相談員の僕が。
「トイレに入り、便座に座ること」の嫌がる理由を解説し。
「子どもがトイレに行かない」対策方法を解説します。
【僕の簡単なプロフィール】
保育者として20年。その後、地域の発達相談員と幼稚園・保育園巡回の経験が15年ほどあり。
大学院では保育や教育の心理学(学校心理学)を専攻していました。
トイレトレーニングの相談は特に多く受け。試行錯誤を繰り返し有効な指導ポイントを見つけましたので、是非多くの方に知ってほしく、本記事を公開しました。
所持資格:公認心理師(国家資格)、幼稚園教諭、小学校教諭など
記事の内容
1.【子ども】トイレに行かない理由
子どもが家庭のトイレに入るのを嫌がる理由は。
家庭のトイレは、完全に「大人用に作られ」「大人の都合に合わせている空間」だからです。
「無機質」「うす暗く」「せまい空間」「便器はおとなサイズ」なため。
子どもにはとても不安な空間です。
なので、子どもが安心できる空間に作り変えてあげる必要があります。
2.【子ども】トイレに行かない対策
以下の方法で、家庭のトイレを子ども用に作り変えてください。
・子ども用補助便座をつける
・足台をおく
・照明を明るいものに変える
・子どもが好きなキャラクターなどのポスターをはる
・子どもが好きな人形やぬいぐるみを飾る
それぞれ解説します。
子ども用補助便座をつける
子どもの身体に合った物を必ず用意して下さい。
踏み台をおく
足裏全体がしっかりつき、ガタガタしないものです。
足裏全体がつくことで姿勢が安定し、安心できます。
照明を明るいものに変える
家庭トイレの照明は、うす暗いものが多いです。
明るくすることで子どもは安心できます。
子どもが好きなキャラクターなどのポスターをはる
前面の壁にはるで良いのですが。
可能なら、足もとにもはることで前傾姿勢がつくれます。
前傾姿勢は排便しやすい(いきみやすい)姿勢です。
【排便しやすい前傾姿勢はこれ】
子どもが好きな人形やぬいぐるみを飾る
小さめのものを壁にはり付けている人もいます。
3.子ども用トイレに作り変える時期
家庭のトイレを子ども用に作り変える時期は。
子どもがトイレを嫌がってからではなく。
トイレトレーニング前の「嫌がる前」に作り変えておくことが理想です。
そして、排泄しなくていいので。
遊び感覚でトイレに入り、服は着たまま便座に座って慣れておくといいです。
子どもが椅子に座れるようになったら、ときどき試してください。
無理にさせることは逆効果なので、遊び感覚がポイントです。
4.どうしても家庭用トイレを嫌がる場合
おまるの活用
家庭のトイレに入ることがどうしても抵抗があるなら、おまるを使うことをおすすめします。
オムツを外しておまるで排泄できるなら、それは立派な排泄自立です。
おまるからトイレへの移行は、少しの時間は必要ですが、むずかしくありません。
トイレにこだわりすぎないことが大切です。
幼稚園・保育園のトイレの活用
どうしても家庭用トイレやおまるに抵抗があり、入れない場合は。
無理せず、家庭では紙オムツを使用し。
園の先生と相談しながら園のトイレを試してみてください。
園のトイレは完全に子ども用に作られているため。
入りやすかったり、友だちが利用しているのを見て「自分もしてみよう!」と思えたりする場所です。
それでも嫌がったら
親も子も思うように進まなかったら、いったんトイレトレーニングはお休みしましょう。
そして、オムツにもどして、「スムーズに排泄」できることを優先してください。
ムリにすすめると、排泄をがまんし、便秘状態になる場合があります。
スムーズに排泄できていた方が健康にもいいし。
その後のトイレトレーニングもすすめやすくなります。
あせらなくても、時期がくれば「必ず」再開できます。
5.まとめ:【子ども】トイレに行かない【理由と対策】
トイレトレーニングをスムーズに進めるためには。
できれば、トイレトレーニングを始める前に。
大人用に作られている家庭トイレを、子ども用に作り変えてください。
「親しみがもて、安心して入れる空間」にすることが大切です。
幼児期にはトイレに限らず、おとなが子どもの快適な空間に合わせてあげることは大切です。
どうしても家庭でのトイレトレーニングがむずかしい場合は。
家庭だけでがんばろうとせず。
幼稚園や保育園と連絡を取り合いながら、一緒に進めていくことが効果的です。
▶こちらの記事もご覧ください。