幼児の一時期、どもる(吃音)ことがある。
この時、わりとある親の言葉がけの一つに
「ゆっくりしゃべってごらん」。しゃべり方を意識させ、どもらないようにさせることで。余計どもり、悪循環になる場合がある。
しゃべり方は意識させず、話の内容を聞くことが大切。
心配な方は専門家に相談を。— ひだ ゆう🍜発達相談員(幼児) (@Zteacher2017) June 14, 2021
幼児の一時期、どもる(吃音)ことがある。
この時、わりとある親の言葉がけの一つに
「ゆっくりしゃべってごらん」。
しゃべり方を意識させ、どもらないようにさせることで。余計どもり、悪循環になる場合がある。
しゃべり方は意識させず、話の内容を聞くことが大切。
心配な方は専門家に相談を。
ある日突然、子どもがどもるときがあります。
そんな時、どう対応したら良いのか、あせることがありますね。
本記事では、治し方(対応方法)と原因をお答えします。
記事の内容
1.どもり(吃音)の治し方
「治し方」とは、「対応の仕方」です。
まずは家庭でするべき対応方法をお伝えします。吃音は、望ましい関わり方を知り、徐々に改善を目指すことが大切です。
・言い直しさせない
・話を最後まで聞く
・子どものペースで一緒に遊ぶ
・周囲の子の真似やからかいに注意
・どんな時にどもるかメモしておく
それぞれ解説しますね。
言い直しさせない
「ぼ・ぼ・ぼく、お・お・おやつ たべたい」などと話すと、親としては心配してしまい。
「ゆっくりしゃべってごらん」「あせらないでしゃべってごらん」と話し、言い直しさせる方は多いです。
言い直しはさせずに、子どもの話の内容を聞いてあげることがまずは大切です。
なぜ、言い直しは良くないか
例えば、外国旅行で慣れない英語で話したとき。現地の人に何度も言い直しさせられると嫌になりませんか?
子どもも何度も言い直しさせられると、話すのが嫌になる場合があります。
どもりがあっても、なくても楽しい会話は大切です。
話を最後まで聞く
「ぼ・ぼ・ぼく、お・お・おやつ たべたい」と言いたいのに。
「ぼ・ぼ・ぼく、お・お」の後に、大人が「おそとに行きたいのね?」と代弁する場合があります。
途中で話をさえぎられると、話したい意欲が奪われ。しかも、言いたいことと違うと、子どもはがっかりします。
可能なら、聞き手がゆったりとした態度で最後まで話を聞き、会話の意欲を失わせないことが大切です。
子どものペースで一緒に遊ぶ
「安心できる場で」、「自分の話したいことを」、「自分のペースで話せること」で子どもは話しやすくなります。
親のペースで遊ばせると、どうしうても指示的な言葉が多くなり、「しかられた感」も増えます。
余裕のある時には、10分くらいでいいので、「子どもの遊びに入れてもらうようなイメージで」一緒に遊ぶことをお勧めしています。
周囲の子の真似やからかいに注意
吃音の子が何より嫌なことは、「真似されること」や「からかわれたりすること」です。
兄弟姉妹の場合も注意が必要です。
もし、真似している様子をみたら、「お話を真似するのはやめなさい。あなただって真似されたらイヤでしょ」と周囲の大人が毅然と対応してください。
どんな時にどもるかメモしておく
もし余裕があるなら、「どんな時にどもっているか」「どんなどもり方をしているか」をメモしてください。
どういう時にどもりやすいか、どもり方、どもる頻度、が分かると対応しやすくなる場合があります。
また、もし専門家への相談が必要になった場合には、貴重な資料となります。
吃音を含め、幼児期の言葉の一般的な対応については以下をお読み下さい。
2.専門家に相談するタイミング
・保護者が心配している場合
・長期間変化なし
・どもる頻度の増加
・違うどもり方(言葉がつまる、伸ばす)の出現
保護者が心配している場合
以前、吃音の相談で来られた方。初回の相談一回で子どもには特別なことはしていなくても、吃音が無くなったことがあります。
親の心配が軽減したことが効果になったと思われます。
心配な場合は、一人で考えていても結論は出ません。ただちに相談に行くべきです。
長期間変化なし
明確な期限はありませんが。一~二か月、改善の変化が無ければ一度相談されてみてはいかがでしょうか。
どもる頻度の増加
親が「以前よりどもる頻度が増えてきたかな」と、感じた場合です。
違うどもり方(言葉がつまる、伸ばす)の出現
親が「以前と違ったどもり方や話しづらさが出てきたな」と感じた場合です。そのためにも、日ごろのメモは役に立ちます。
どもりの種類は以下です。
3.どもり(吃音)の種類
三つの主症状があります。
①連発
音節の繰り返し
「ぼ・ぼ・ぼ・ぼくね~」と、初めの音を繰り返します。
②伸発
引き伸ばし
「ぼーくね~」と、音を伸ばします。
③難発
阻止または、ブロック
「・・・・ぼくね」と、初めの音が出にくい状態です。
連発、伸発に比べ、話しづらさは増すようです。
4.どもり(吃音)の原因
歴史的に吃音は100%環境が原因と誤解されていた時代があるようですが。
後述する、耳鼻咽喉科医師である菊池良和さんの著書によれば、『吃音発症の原因は体質7割・環境3割』であり。
親の育て方が原因で吃音が発症するわけではありません。
5.まとめ:【子ども】どもり(吃音)の治し方と原因
言葉の成長期である幼児の一時期、どもることがあります。
まずは、周囲の大人が焦らないことが大切です。
話の内容をよく聞き、会話を楽しむことを基本にし、必要があれば専門家への相談を考えて下さい。
▶参考図書としてお薦めします
「エビデンスに基づいた吃音支援入門」菊池良和 著・学苑社
【参考文献】
・「エビデンスに基づいた吃音支援入門」菊池良和 著・学苑社
・「小児吃音臨床のエッセンス」菊池良和 編著・学苑社
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