親や先生に、叱られても笑っていたり、すぐに同じ行動を繰り返したりし。
叱られても気にしないような子どもがいます。
なぜ、そうなのか?子どもは反省しないのか?
大人には疑問です。
現役の発達相談員で公認心理師の僕が。
その疑問にお答えし、対処法を解説します。
【僕の簡単なプロフィール】
保育者として20年。その後、地域の発達相談員と幼稚園・保育園巡回の経験が15年ほどあります。
大学院では保育や教育の心理学(学校心理学)を専攻していました。
所持資格:公認心理師(国家資格)、幼稚園教諭、小学校教諭など
1.叱られても気にしない(笑う)子どもの心理と対処法
子どもの心理は以下が考えられます。
・認知的不協和
・大人の注意をひきたい
・ストレスの解消
・知識の未熟
・コミュニケーションの不備
それぞれ解説します。
認知的不協和
【認知的不協和】
個人のもつある認知と他の認知との間に不一致・不調和が生じること。その結果、不協和を解消あるいは低減しようとして行動や態度に変化が起こる。
<事例>
『子どもがおもちゃを壊してしまい、親に叱られたのに。気にしていない様子で笑っている』
子どもは、おもちゃを壊してしまったという「罪悪感」と、親に叱られた「不快感」両方の感情をもちます。
同時に違う感情をもつことで、子どもの感情(認知)に不協和がおき。
不快な緊張状態(ストレス)がおきます。
これを解消するために、自分の態度や行動を変容させて(笑って)いるのかもしれません。
つまり、「自分で自分を守っている」ということです。
<対処方法>
「自分が悪いことをした」と子どもが感じていそうなときには。
あまり叱りすぎないことが大切です。
大人の注意をひきたい
子どもは、自分が大人(親)に「注目されること」を望んでいます。
ほめられることも、叱られることも大人に注目されることであり。
ほめられない場合には、叱られてでも注目されたいのです。
<対処方法>
その行動は、「注目をされたい」行動なのかを見極め。
必要な場合には、ほめる・認めるなど望ましい方法で注目してあげるといいです。
ストレスの解消
叱られることは幼児にとってストレスフルな状況です。
その緊張を解消するために、気にしていない様子や笑いを使うことがあります。
また、叱られることに対して反論することができないため。
そのような行動をすることがあるかもしれません。
<対処方法>
叱ることが多い場合には、叱りすぎないことです。
知識の未熟
幼児は、社会的なルールや行動規範を理解するための経験が不十分なため。
叱られたことがなぜ悪いのか、理解していないことがあります。
そのため、叱られても気にしていない様子や、笑ってしまうことがあります。
<対処方法>
子どもに不適切な行動があった場合。
理解しているのにするのか、理解できていないからやってしまうのか。
よく観察することは大切です。
理解できていない場合には。
子どもが分かりやすい言葉を使ったり、写真など目で見えるものを使ったりして。
子どもの理解を助けてあげることが必要です。
コミュニケーションの不備
幼児期は言葉の理解力や表現力が不十分なため、叱られたことを理解できない場合があります。
また、自分の気持ちや意見をうまく表現できない場合もあります。
そのため、叱られても笑ってしまうことがあります。
<対処方法>
子どもの不適切な行動で叱りたくなることもありますが。
子どもの現在のコミュニケーションの状況に応じて対応することが大切です。
2.まとめ:叱られても響かない子どもの心理と対処法
子どもが叱られても気にしていない様子のときには。
本当に気にしていないわけではなく、様々な理由があります。
叱っているのに、子どもが笑っていると余計に叱りたくなりますが。
そんなときほど冷静に子どもの様子を観察し。
その子に合った対応が必要です。
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